南北戦争従軍者回想録集
南北戦争従軍者回想録集
The Civil War in Words and Deeds
国を二分し、400万人におよぶ将兵が参戦、60万人以上の戦死者を出した南北戦争は、米国建国以来の最大の歴史的事件です。南北戦争に関する様々な出版物や映像作品やインターネットの情報はおびただしい数にのぼり、毎年新しい情報や事実が追加されています。南北戦争に関する集団的な記憶は研究者の間で盛んに議論されています。また、南部を記念する記念碑や像をめぐり、時に政治的な対立が発生します。南北戦争は単なる歴史上の出来事ではなく、現在の米国を映し出す鏡としても機能しています。このような状況の中で、将兵や看護師など、従軍した人々が残した記録は当事者の一次資料として不滅の価値を持っています。
本コレクションは、南北戦争に参戦した軍人、兵士、看護婦等が戦後に刊行した回想録、日記、戦史等、約480巻の著作を収録するものです。ユリシーズ・グラント(Ulysses S. Grant)やウィリアム・シャーマン(William T. Sherman)等の司令官の回想録も含まれていますが、多くは無名の兵士や看護婦の回想録や日記です。アイルランド人旅団に参加したウィリアム・コービー(William Corby)、デヴィッド・カニンガム(David P. Conyngham)の回想録、南部ルイジアナ州のサラ・モーガン・ドーソン(Sarah Morgan Dawson)の『南部連合の娘の日記』のような銃後の人々の記録など、階層、出自、環境が異なる様々な人々の生の経験を通して、南北戦争の多面的な像が浮かびあがってきます。
(マイクロ版タイトル:Travels in the Confederate States)