Archives of Sexuality and Gender: L’Enfer de la Bibliothèque nationale de France
セクシュアリティとジェンダーのアーカイブ第5部は、世界屈指のエロティカ・発禁本コレクションとして知られる、フランス国立図書館の《地獄 L'Enfer》コレクションをデジタル化しました。第3部所収の大英図書館〈プライベート・ケース〉と合わせ、ヨーロッパを代表する二大エロティカ・コレクションが初めてデジタル形式で横断利用できることになります。
「地獄 L'Enfer」コレクションは1830年代に公序良俗に反する書物を隔離するために作られたもので、16世紀から20世紀までの文学作品・手稿・銅版画・リトグラフ・写真など2,400点から成ります。加えて「鞭打ち Flagellation」と名付けられた950点の補遺もあり、これらは性愛文学の中でも19世紀末から20世紀初めに流行したサブジャンルのために設けられたものです。
今回デジタル化されたコレクションは、16世紀から20世紀までに刊行されたフランス語を中心に英語、イタリア語、ドイツ語等、欧米諸語の性愛文献を一望の下に収めるもので、書物史、書誌学の観点からもその価値は計り知れず、本コレクションの参照なしに性愛文献の学術研究は成立し得ません。
収録文献はフランス語文献が8割以上を占め、残りは英語、イタリア語、ラテン語、ドイツ語等の文献で構成されます。フランス人作家では、17世紀のニコラ・ショリエ、18世紀のレチフ・ド・ラ・ブルトンヌ、アンドレア・ド・ネルシア、マルキ・ド・サド、ミラボー伯爵から、19世紀のミュッセ、テオフィル・ゴーティエ、20世紀のピエール・ルイス、アポリネール、ジョルジュ・バタイユ、ポーリーヌ・レアージュ、ジャン・ジュネまで、フランス性愛文学史上の代表的な作家の作品が収録されています。
フランス以外では、イタリアのピエトロ・アレティーノ、ロレンツォ・ヴィニエロ、イギリスのジョン・クレランド、アメリカのヘンリー・ミラー等の作品が収録されています。同一作品でも様々な版が収録されているため、版の異同を調べるにも最適なコレクションです。
性愛文学史では出版人(出版社)や批評家の存在も重要です。マルキ・ド・サドの作品を精力的に出版したジャン=ジャック・ポーヴェール、サドの作品の批評版を刊行したモーリス・エーヌ、イギリス出身のパリ在住の出版人で「世界各地の鞭打ちシリーズ」で多くの鞭打小説を世に送り出したチャールズ・キャリントン、パリにあって英語・英訳作品を刊行したオリンピア・プレス、上質紙に美しい活字で印刷された美本を出版し、性愛文学における理想の書物を追求したイジドール・リジウー、ボードレール『悪の華』の出版により作者とともに有罪判決を受け、亡命先のベルギーで『好色高踏詩集』等の性愛文学の出版を精力的に行なったオーギュスト・プーレ・マラシ等が手掛けた作品が本コレクションを彩っています。
「地獄コレクション」の電子化により、これまで特定の作家や時代に限定して注目されてきた性愛文学を近世から現代までの文学史の中に正当に位置づけることが可能になります。
※16世紀~20世紀の性とセクシュアリティも合わせてご検討ください。
フランス国立図書館名誉司書マリー=フランソワーズ・キニャールによる解説文
《地獄》コレクションの前史、検閲による接収・購入や寄付・納本制度によるコレクションの拡大、目録の出版と分類の歴史、鞭打ちコレクションについて、1969年の閉鎖、1983年の再公開から現在まで等について解説します。こちらから:〈日本語訳〉〈フランス語原文〉
※一部、性的に露骨な表現や画像が含まれます。あらかじめご了承ください。
フランス国立図書館名誉司書マリー=フランソワーズ・キニャールによる解説ビデオ集:
※以下のビデオの音声はフランス語のみ(英語またはフランス語の字幕が選択可能)となります。
また、一部、性的に露骨な表現や画像が含まれます。あらかじめご了承ください。
【ビデオ1】自身とフランス国立図書館貴重書部との関わり、なぜコレクション名が《地獄》となり、なぜそれが貴重書部の一部となったのかについて。(約6分)
【ビデオ2】《地獄》コレクションに含まれる資料の時代ごとの特色について、特に気に入っている作品、そしてなぜ出版には危険が伴ったのかについて。(約9分)
【ビデオ3】そうした作品がどのような経緯で《地獄》コレクションに集められ、誰がそこに含めるべきタイトルを決めたのか、時代とともに選別基準やコレクションへの見方がいかに変化したのかについて。(約11分)
【ビデオ4】研究者にとっての《地獄》コレクションの有用性と魅力、今回のデジタル化のプロセス、デジタル化するメリットについて。(約6分)
《収録文献の例》
辞典・図録
- ニコラ・ブロンドー『好色用語辞典』(1885)
- アルフレッド・デルヴォー『近代好色用語辞典』(1864)
- アルフレッド・デルヴォー『近代好色用語辞典改訂版』(1874)
- ルイ・ド・ランド『フランス語性愛用語辞典』(1861)
- アゴスティーノ・カラッチ『アゴスティーノ・カラッチの『アレティーノ』、あるいはエロティックな体位集成』(1798)
- ジュゼッペ=マリア・ロ・デュカ『エロティック美術』(1966)
- アンドレ・ロート、ジャン・コクトー『寄港地』(1920)
イタリア
- ボッカッチョ『デカメロン』(仏訳アントワーヌ・ル・マッソン, 全5巻, 1757-1761)
- アントニオ・コツナッツァーノ『諧謔俚諺集』(伊仏対訳, 1884)
- アントニオ・コツナッツァーノ『諧謔俚諺集』(伊英対訳, 1888)
- ピエトロ・アレティーノ『ラジョメナンティ』(1538)
- ピエトロ・アレティーノ『ラジョメナンティ』(全2巻, 挿絵ポール・エミール・べカ, 1959)
- ピエトロ・アレティーノ『ラジョメナンティ、あるいは対話集』(仏訳, 全6巻, 1882)
- ピエトロ・アレティーノ『ラジョメナンティ』(英訳, 全6巻, 1889)
- ピエトロ・アレティーノ『ラジョメナンティ』(仏訳アルシド・ボノー, 全3巻, アポリネール序文、ジアマリア・マズチェッリのアレティーノ評伝, 1959)
- アントニオ・ヴィニャーリ『男根の群』(仏訳, 1882)
- ロレンツォ・ヴィニエロ『彷徨える娼婦』(1531)
- ロレンツォ・ヴィニエロ『彷徨える娼婦』(伊仏対訳, 1883)
- ロレンツォ・ヴィニエロ『ラ・ザフェッタ』
- ジャンバティスタ・マリーノ『結婚初夜』(仏訳, 1883)
- アントニオ・ロッコ『少年アルキビアーデ学校へ行く』
- フェランテ・パラヴィッチーノ『娼婦の口説き文句』(1648)
- ルドヴィコ・マリア・シニストラリ『デ・ソドミア・トラクタトゥス』(1879)
- ルドヴィコ・マリア・シニストラリ『ソドミー、とりわけトリバディズムを特徴とする女性のソドミーについて』(1883)
- グレゴリオ・レティ『ローマの売春』(仏訳, 1873)
- ジョルジオ・バッフォ『詩全集』(仏訳アルシド・ボノー, 全4巻, 1884)
- ジョルジオ・バッフォ『作品全集』(仏訳A・リボクール, 全3巻, 1876)
フランス(16~17世紀)
- モーリス・セーヴ『男と女の身体の紋章と反紋章』
- ピエール・ド・ロンサール『ロンサールの戯歌集』(1958)
- マチュラン・レニエ『諷刺詩集』(全2巻, 1700)
- ニコラ・ショリエ『トレトゥムのアロイジア・シガエアによる秘められた愛と性についてのソタデス流諷刺』(全2巻, 1660-1670)
- ニコラ・ショリエ『トレトゥムのアロイジア・シガエアによる秘められた愛と性についてのソタデス流諷刺』(イタリア語訳, 全2巻, 1779)
- ニコラ・ショリエ『ルイーザ・シゲアの対話:ソタデス流諷刺』(全4巻, 『トレトゥムのアロイジア・シガエアによる秘められた愛と性についてのソタデス流諷刺』のアルシド・ボノーによる仏訳, 1881)
- ニコラ・ショリエ『淑女たちの学園』
- ニコラ・ショリエ『ルイーザ・シゲアの対話』(全3巻, 『トレトゥムのアロイジア・シガエアによる秘められた愛と性についてのソタデス流諷刺』の英訳, 1890)
- ジャン・バラン(アベ・デュ・プラ名義)『修道院のウェヌス、あるいは下着姿の修道女』(1746)
- ミシェル・ミヨ『娘たちの学校、淑女の哲学』(1959)
フランス(18世紀)
- ジャン=バティスト・ルソー『寸鉄詩集』(1911)
- ピエール・ボーシャン『アプリウス王子物語並びに創世記以来の世界年代記抜粋、1722年に退位させられたペルシア王フサインの図書館で発見されたペルシア語写本の仏訳』(1728)
- アレクシス・ピロン『プリアポスへの頌歌』(1903)
- アレクシス・ピロン『諧謔作品集』
- アレクシス・ピロン『愛と狂気:諷刺詩集』(フランツ・フォン・バイロスの挿絵, 1910)
- アレクシス・ピロン『コルドリエ修道院』(1903)
- アレクシス・ピロン『拾遺詩集』(1779)
- ヴォルテール『オルレアンの処女』(1775)
- ヴォルテール『哲学書簡』
- ヴォルテール『オダリスク』(1796)
- ヴォルテール『カンディード』(1964)
- ヴォルテール『故バザン師の生涯と著作集』(1794)
- モールパ伯爵ジャン=フレデリック・フェリポー『ルイ14世と15世の時代の様々な人物に関する俗謡、寸言、諷刺詩集成』(全6巻, 1865)
- アン=ガブリエル・ムニェ・ド・ケルロン『カルメル会修道院受付口係の物語』(1774)
- フジュレ・ド・モンブロン『深紅のソファー』(1748)
- フジュレ・ド・モンブロン『修繕屋マルゴ』(1800)
- フジュレ・ド・モンブロン『修繕屋マルゴ』(後書モーリス・サイエ, 1958)
- シャルル・コッレ『コッレ諧謔歌謡集新版』
- シャルル・コッレ『コッレ歌謡全集』(1864)
- シャルル・コッレ『当世猥褻歌謡集』(1753)
- クロード=アンリ・ド・フュゼ・ド・ヴォワスノン『アンリ・ロシュ氏とコンドル公爵夫人による勤行』(1786)
- ピエール・オノレ・ロべ・ド・ボーヴェセット『諧謔作品集』(全2巻, 1801)
- ミシェル=ジャン・スデーヌ『図像と音楽で飾られた聖アントワーヌの誘惑』(全3巻, 1781)
- ジャック・ロシェット・ド・ラ・モリエール『教会の栄光、あるいはB……師の活動』(1748)
- ドゥニ・ディドロ『哲学断想』(1746)
- ジャック・ロシェット・ド・ラ・モルリエール『聖職者の誉れ』(1748)
- ジェルヴェーズ・ド・ラトゥーシュ『カルトゥジオ会修道院門番修道士、あるいはサトゥルナンの回想録新版』(全2巻, 1788)
- ジェルヴェーズ・ド・ラトゥーシュ『カルトゥジオ会修道院門番修道士B・・・師の物語』(1748)
- ダンカルヴィル男爵ピエール=フランソワ・ユーグ『12人の皇帝の私生活の記念碑』(1780)
- ダンカルヴィル男爵ピエール=フランソワ・ユーグ『ローマ貴婦人の秘儀の記念碑』(1784)
- エリー=カトリーヌ・フレロン、コルベール・デストゥートヴィル『本物の快楽、あるいはヴィーナスとアドニスの恋』
- ロション・ド・シャバンヌ『パリのカンバス』(1750)
- レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ『アンチ・ジュスティーヌ、あるいは恋の快楽』(1798)
- レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ『ムッシュー・ニコラ、あるいは暴かれた人間の心』(全6巻, ジャン=ジャック・ポーヴェール版, 1959)
- レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ『エロティック作品全集』(1953)
- レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ『アンジェニュ・サクサンクール』(ジャン=ジャック・ポ-ヴェール版, 1960)
- アンドレア・ド・ネルシア『フェリシア、あるいは私の愚行録』(全4巻, 1776)
- アンドレア・ド・ネルシア『肉体の悪魔』(全6巻, 1806)
- アンドレア・ド・ネルシア『アフロディテの信徒たち、あるいは快楽の歴史のためのタレイア=プリアポス風断章』(全2巻, 1793)
- アンドレア・ド・ネルシア『モンローズ、あるいは宿命のリベルタン』(1792)
- アンドレア・ド・ネルシア『我が修業時代、あるいはロロットの喜び』
- アンドレア・ド・ネルシア『新しい物語集』(プーレ=マラシの評伝・書誌解題)
- マルキ・ド・サド『アリーヌとヴァルクール、あるいは哲学小説』(全4巻, 1795)
- マルキ・ド・サド『アリーヌとヴァルクール、あるいは哲学小説』(全4巻, 1883)
- マルキ・ド・サド『新ジュスティーヌ、あるいは美徳の不幸』(全10巻, 1797)
- マルキ・ド・サド『ジュスティーヌ、あるいは美徳の不幸』(全2巻, 1791)
- マルキ・ド・サド『ジュスティーヌ、あるいは美徳の不幸』(第3版, 全4巻, 1801)
- マルキ・ド・サド『新ジュスティーヌ、あるいは美徳の不幸』(全4巻, ジャン=ジャック・ポーヴェール版, 1953)
- マルキ・ド・サド『ジュスティーヌ、あるいは美徳の不幸』(序文ジョルジュ・バタイユ, ジャン=ジャック・ポーヴェール版, 1955)
- マルキ・ド・サド『ジュスティーヌ、あるいは美徳の不幸』(英訳ピエラレッサンドロ・カサヴィーニ(オーストリン・ウェインハウス), 1953)
- マルキ・ド・サド『ジュスティーヌ、美徳の不幸』(英訳ハリエット・ソーマーズ, 1953)
- モーリス・エーヌ『新ジュスティーヌ』のための111の覚書(』1956)
- マルキ・ド・サド『ジュリエット物語、あるいは悪徳の栄え』(全6巻, 1797)
- マルキ・ド・サド『ジュリエット物語、あるいは悪徳の栄え』(独訳, 1892)
- マルキ・ド・サド『ジュリエット物語、あるいは悪徳の栄え』(全4巻, 英訳ピエラレッサンドロ・カサヴィーニ(オーストリン・ウェインハウス, 1958-1960)
- マルキ・ド・サド『閨房哲学』(全2巻, 1795)
- マルキ・ド・サド『閨房哲学』(英訳ピエラレッサンドロ・カサヴィーニ(オーストリン・ウェインハウス), 1953)
- マルキ・ド・サド『ソドム百二十日、あるいは淫蕩学校』(オリジナル草稿に基づく初の出版, 注釈オイゲン・デューレン博士, 1904)
- マルキ・ド・サド『ソドム百二十日』(全2巻, モーリス・エーヌ批評版, 1931-1935)
- マルキ・ド・サド『ソドム百二十日』(全3巻, モーリス・エーヌ批評版, 1953)
- マルキ・ド・サド『ソドム百二十日、あるいは淫蕩学校』(全3巻, ジャン=ジャック・ポーヴェール版, 1953)
- マルキ・ド・サド『ソドム百二十日、あるいは淫蕩学校』(英訳ピエラレッサンドロ・カサヴィーニ(オーストリン・ウェインハウス)、序文ジョルジュ・バタイユ, 1954)
- マルキ・ド・サド『ゾロエと二人の侍女』(1800)
- マルキ・ド・サド『ジェローム物語』(1936)
- マルキ・ド・サド『ヴェニスの娼家』(1921)
- マルキ・ド・サド『犯罪の友』
- フランソワ=フェリックス・ノガレ『フランス風アレティーノ』(1787)
- 作者不詳『カルトゥジオ会修道院門番修道士D.-B.-の妹シュゾンの回想』(1783)
- シャルル・テヴノー・ド・モランド『グルダン夫人書簡集』(1910)
- ピエール=ジャン=バティスト・ヌガレ『リュセット、あるいは放蕩の進行』(全3巻, 1765-1766)
- ミラボー伯爵『エロティカ・ビブリオン』(1783)
- ミラボー伯爵『やんごとなきリベルタン、あるいはわが改宗』
- ミラボー伯爵『引き上げられたカーテン、あるいはローラの教育』
- ミラボー伯爵『引き上げられたカーテン、あるいはローラの教育』(英訳)
- シモン=ピエール・メラール・ド・サン=ジュスト(パルマレーズ侯爵夫人名義)『著作集』(全2巻, 1880)
- シルヴァン・マレシャル『1790年の貞節な女たちの暦』(1870)
- シャルル=ジョゼフ・ド・マイエール『フランス国王ルイ16世王妃、オーストリアのマリー・アントワネットの生涯:処女喪失から1791年5月1日まで』(全2巻, 1793)
- ジャック=ピエール・ブリッソー『マリー・アントワネットの生涯に関する歴史的試論』(1789)
- 『マリー・アントワネットのタレーランへの告白』(1873)
- 作者不詳『シャルロとトワネットの恋』(1789)
- 作者不詳『新淑女たちの学園、あるいはマドモワゼルB….の物語』(1774)
- 作者不詳『ピウス6世によりフランスの聖職者のために設立された娼家』(1790)
- 作者不詳『地方連合のための王妃後援の国営娼家』(1790)
- 作者不詳『王立娼家』(1790)
- 作者不詳『カロリーヌとサンティレール、あるいはパレ・ロワイヤルの娼婦』(全2巻, 1799)
- 作者不詳『フランスのメッサリーナ、あるいはポリニャック公爵夫人の夜』(1789)
- 作者不詳『性の技法40』(1789)
- 作者不詳『哲学者テレーズ』(全2巻, 1785)
- 作者不詳『哲学者ジュリー、あるいはよき愛国者』(序文・文献解題アポリネール, 全2巻, 1910)
- 作者不詳『三部会におけるドン・ブグル、あるいはカルトゥジオ会修道院門番修道士の不平』(1792)
- ピゴー=ルブラン『娼家の子ども』(全2巻, 1800)
- エヴァリスト・ド・パルニー『神々の戦い:10の歌による詩』
- アン=ジョゼフ・テロワーニュ・ド・メリクール『遊女と遊女の職を選んだ若い娘のための淫蕩な教理問答』(1792)
- マドモワゼル・ロークール『同性愛学派:マドモワゼル・サッフォーの告白』(1920)
フランス・ベルギー(19世紀)
- クロード=フランソワ=グザビエ・メルシエ・ド・コンピエーニュ『色狂い淫蕩詩集』
- フェリシテ・ショワズール=ムーズ『ジュリー』(1807)
- ピエール=フランソワ・ティソ『カプチン派修道士の住む家』(1820)
- ピエール=ジャン・ド・ベランジェ『全集』(1834)
- ピエール=ジャン・ド・ベランジェ『エロティック歌謡集』(1834)
- ポール=エミール・デブロー『諧謔政治歌謡集』(1830)
- アンリ・モニエ『ジョゼフ・プリュドムの地獄』(1866)
- アンリ・モニエ『二人のレズビアン』(1864)
- アンリ・モニエ『我々の風俗の歴史のために』
- プロスペル・メリメ『HB』(1864)
- アルフレッド・ド・ミュッセ『ガミアニ、あるいは歓楽の二夜』(1835)
- アルフレッド・ド・ミュッセ『ガミアニ、あるいは歓楽の二夜』(英訳オーストリン・ウェインハウス(オーディアール, 1953)
- テオフィル・ゴーティエ『サバチエ夫人への手紙:イタリア紀行』(1850)
- テオフィル・ゴーティエ『エロティック作品集』(1953)
- テオフィル・ゴーティエ『放蕩詩集』(1935)
- ジャン=ジョゼフ・ヨーステンス(ルブラン名義)『公衆の女、あるいは上流社会の娼婦の生活』(1860)
- ジャン=ジョゼフ・ヨーステンス(ルブラン名義)『カルメル会修道院修道士の放縦な恋』(1861)
- ジャン=ジョゼフ・ヨーステンス(ルブラン名義)『パリの大宮殿の恋と快楽の情景』(1861)
- ルイ・プロタ『セルフィス:悲喜劇』(1864)
- ボードレール『漂着物』(口絵:フェリシアン・ロップスのエッチング, 1866)
- ボードレール『悪の華、禁断詩編』(挿絵ピカール・ル・ドゥ, 1931)
- オーギュスト・プーレ=マラシ『田舎の夏:二人のパリの令嬢の往復書簡』(1868)
- シャルル・ヴィルメートル『パリの鞭打つ者と鞭打たれる者たち』(1902)
- オクターヴ・プラデル『弁護士の女』(1888)
- ポール・ヴェルレーヌ『女友達』(1870)
- ポール・ヴェルレーヌ『自由詩集』(1868)
- ポール・ヴェルレーヌ『自由詩集』(挿絵ポール=エミール・べカ, 1948)
- ポール・ヴェルレーヌ『女たち』(1893)
- ポール・ヴェルレーヌ『女たち』(挿絵グスタフ・クリムト, 1926)
- ポール・ヴェルレーヌ『男たち』(1904)
- ポール・ヴェルレーヌ『男たち(』パリズール書簡、注釈アヴィナン・ミルール(パスカル・ピア名義), 1926)
- 『新・19世紀好色高踏派詩集』
- アルフォンス・モマ(ル・ニスモア名義)『快楽の村』(1907)
- アルフォンス・モマ(ル・ニスモア名義)『奥様の告白』(1891)
- アルフォンス・モマ(ル・ニスモア名義)『マルヴジャヌのマルグリットの手ほどき』(1891)
- アルフォンス・モマ(ル・ニスモア名義)『マルグリットの手帖』(1892)
- アルフォンス・モマ(ル・ニスモア名義)『モンティエルスィのマルトの手ほどき』(1892)
- アルフォンス・モマ(ル・ニスモア名義)『模範的な亭主たち:一幕劇』(1900)
- アルフォンス・モマ(ル・ニスモア名義)『人騒がせな夜:一幕通俗喜劇』(1892)
- アルフォンス・モマ(ル・ニスモア名義)『秘密の手紙』(全2巻, 1891-1893)
- アルフォンス・モマ(ル・ニスモア名義)『半処女協会』(全2巻, 1899)
- アルフォンス・モマ(ル・ニスモア名義)『ダニエルの結婚』(1899)
- アルフォンス・モマ(ル・ニスモア名義)『ムッシュー・ジュリー、寄宿学校の女主人』(1900)
- アルフォンス・モマ(ル・ニスモア名義)『処女性の歴史』(1900)
- アルフォンス・モマ(ル・ニスモア名義)『呪われた都市』(1907)
- アルフォンス・モマ(ル・ニスモア名義)『小さな人々と淫蕩な人々』(1899)
- アルフォンス・モマ(C男爵名義)『女帝の恋の錯乱』(1900)
- ジャン・リシュパン『乞食たちの歌』(1881)
- モーパッサン『バラの葉陰で、メゾン・トルコ』(1945)
- アルチュール・ランボー『淫蕩詩篇』(1876)
- レオ・タクシル『告解と聴罪司祭』(1882)
- ルイ・マルテスト(ジャック・ディシィ名義)『裏切られたポレット』
- ルイ・マルテスト(ジャック・ディシィ名義)『女曲馬師シュザンヌ』
- ルイ・マルテスト(ジャック・ディシィ名義)『ポレット氏とその妻たち』(1921)
- ラファエル・ヴィオー『女の悪習』(英語, 1922)
- マルタン・ファン・メール『生者たちの大いなる死の舞踏』(全4巻, 1907-1908)
- ミシェル・モーフィー『聖職者のポルノグラフィーの謎』(1884)
- E.D.『あるロシア人バレリーナの回想』(1904)
- E.D.『私のヴィクトワールとの恋』(1888)
フランス・ベルギー(20世紀)
- ピエール・ルイス『アフロディット:古代の風俗』(全3巻, 1928)
- ピエール・ルイス『ゴンザルブ王と12人の王女の物語』(1927)
- ピエール・ルイス『母親の三人の娘』
- ピエール・ルイス『ピブラック:恋愛四行詩』(1933)
- ピエール・ルイス『恋愛詩集』
- ピエール・ルイス『未刊恋愛詩集』(1945)
- ピエール・ルイス『未刊詩集1887-1924年』(1938)
- ピエール・ルイス『女学校用少女のための礼儀作法手引』(1948)
- ピエール・ルイス『少女への助言』
- ピエール・ルイス『ビリティスの秘められた歌』(1961)
- ピエール・ルイス『ジョゼフィーヌの回想』(1894)
- ポール・レオトー『私的日記』(全2巻, 1956)
- ジャン・ド・ヴィリオ『ハレムの鞭』(1906)
- ジャン・ド・ヴィリオ『ミス・クートの告白』(1906)
- ジャン・ド・ヴィリオ『鞭の魅惑、あるいはミス・ダーシーの無分別』(1902)
- ジャン・ド・ヴィリオ『ヴァージニアにて:南北戦争の挿話』(1901)
- アポリネール『ボルジア家のローマ』(1914)
- アポリネール『エロティック作品全集』(全3巻, 1934)
- アポリネール『一万一千本の鞭』(1948)
- アポリネール『若きドン・ジュアンの冒険』(オリジナル石版画12枚, 1927)
- アポリネール『自由詩集』(1948)
- ピエール・マッコルラン(サディ・ブラッケイズ名義)『小さなタイピスト』(1933)
- ピエール・マッコルラン(サディ・ブラッケイズ名義)『尻を叩かれたリーズ』
- ピエール・マッコルラン(ピエール・ドゥ・ブールデル名義)
- 『ソンムラージュ嬢の恋の冒険、あるいは恐怖政治の時代における高貴な令嬢の放蕩な冒険』(1910)
- ピエール・マッコルラン(ピエール・ドゥ・ブールデル名義)『ミュステル嬢とその友人』(1928)
- ピエール・マッコルラン『ヴィーナスの秘密の週』(ジョルジュ・バルビエのオリジナル挿絵, 1926)
- シャルル・デュレンヌ『ミューズの浮気心』(1920)
- ルイ・ペルソー(アレクサンドル・ド・ヴェリノー名義『)プリアポス』(1920)
- ルイ・ペルソー(アレクサンドル・ド・ヴェリノー名義)『12の淫蕩ソネット』(1925)
- ルイ・ペルソー(アレクサンドル・ド・ヴェリノー名義)『ベッドの傍らで:スタンス』(1927)
- ルイ・ペルソー『高踏派の秘密の小部屋』(1928)
- ルイ・ペルソー『小娘、詩』(1934)
- アンドレ・ロリュロ『鞭打ちと性的倒錯』(1955)
- アンドレ・ロリュロ『恋のいかさまとごまかし』(1956)
- ジャン・コクトー『秘密の博物館』(1920)
- 匿名『白い紙』(ジャン・コクトー序文・挿絵, 1957)
- ルイ・アラゴン『イレーヌ』(序文ジャン=ジャック・ポーヴェール, 1968)
- ルイ・アラゴン『イレーヌのコン』(序文アンドレ・ピエール・ド・マルディアルグ, 1962)
- ジョルジュ・バタイユ『死者』(1967)
- ジョルジュ・バタイユ『死者』(挿絵アンドレ・マッソン, 1964)
- ジョルジュ・バタイユ(オーシュ卿名義)『眼球譚新版』(ハンス・ベルメールの銅版画, 1940)
- ジョルジュ・バタイユ(オーシュ卿名義)『眼球譚新版』(1941)
- ジョルジュ・バタイユ『眼球譚』(1967)
- ジョルジュ・バタイユ(ピエール・アンジェリック名義)『マダム・エトワルダ』(ジャン=ペルドゥの銅版画, 1942)
- ジョルジュ・バタイユ(ピエール・アンジェリック名義)『マダム・エトワルダ』(注釈ジャン=ジャック・ポーヴェール, 1956)
- ジョルジュ・バタイユ(ピエール・アンジェリック名義)『マダム・エトワルダ』(1937)
- ジョルジュ・バタイユ『マダム・エドワルダ新版』(1966)
- ジョルジュ・バタイユ『マダム・エトワルダ』(ハンス・ベルメールの銅版画, 1965)
- ジョルジュ・バタイユ『我が母』(1966)
- バンジャマン・ペレ『いきり立った睾丸』(1954)
- バンジャマン・ペレ『1929』(共著者ルイ・アラゴン、写真マン・レイ)
- レーモン・ラディゲ『自由詩』(1925)
- パスカル・ピア『愛の園』(タイトルページの著者名はアポリネール, 挿絵レオナール・フジタ, 1924)
- ジョルジュ・ヴィダル『ゲリニーのジョルジュ』(1954)
- ジョルジュ・シム(ジョルジュ・シムノン)『娼婦の回想』(1929)
- ジルベール・レリー『ソタデス的詩集』
- ポーリーヌ・レアージュ(ドミニク・オーリー)『O嬢の物語』(序文ジャン・ポーラン「奴隷状態の幸福」, 挿絵レオノール・フィニ, 1962)
- アンドレ・ピエール・ド・マルディアルグ『満潮』(1962)
- ジャン・ジュネ『詩集』(1962)
- ジャン・ジュネ『花のノートルダム』(1943)
- ジャン・ジュネ『花のノートルダム』(英訳, 1949)
- ジャン・ジュネ『葬儀』(1947)
- ジャン・ジュネ『薔薇の奇蹟』(1946)
- ジャン・ジュネ『ブレストの乱暴者』(1947)
- ピエール・ベタンクール(ジャン・サディネ名義)『王の快楽』(全2巻, 1953)
- ピエール・ベタンクール『優柔不断』(1942)
- ボリス・ヴィアン(ヴァーノン・サリバン名義)『墓に唾をかけろ』(1948)
- エレナ・ヴァーレイ『今時の若い娘』
- ロベール・セルメーズ『肉欲の序章』(1953)
- ロベール・セルメーズ『肉欲の序章』(英訳, 1938)
- アンドレ・シベール『アリスとその奴隷』(1974)
- アンドレ・シベール『愛における奴隷状態』(1978)
- アラン・マック・クライド『女権制』(1934)
- アラン・マック・クライド『恐怖の都市』(1933)
- アラン・マック・クライド『女奴隷ドリー』(1936)
- アラン・マック・クライド『調教』
- アラン・マック・クライド『勝ち誇った革』(1934)
- アラン・マック・クライド『エナメル革のマドンナ』(1937)
- アラン・マック・クライド『革と肌』(1934)
- アラン・マック・クライド『隷属』(1934)
- アラン・マック・クライド『鞭とヒラヒラ飾り』(1934)
イギリス・アイルランド
- ジョン・クレランド『・・・・・の回想』(全2巻, 1747年頃)
- ジョン・クレランド『ある遊女の回想』(全2巻, 1749)
- ジョン・クレランド『クレランド氏の『遊女』の新訳』(仏訳, 1776)
- ジョン・クレランド『クレランド氏の遊女』(仏訳フジュレ・ド・モンブロン, 全2巻, 1786)
- ジョン・クレランド『遊女、あるいはミス・ファニー自身により書かれた回想』(仏訳, 全2巻, 1790)
- ジョン・クレランド『ファニー・ヒルの回想:1749年の原著の新版』(1888)
- ジョン・クレランド『ファニー・ヒルの回想』(仏訳, イジドール・リジウーによる初の完訳)
- ジュリアン・ロビンソン『女権制』(全3巻, 1893)
- 作者不詳『我が秘密の生涯』(全3巻, 1885)
- 作者不詳『我が秘密の生涯』(全3巻, 仏訳, 1885)
- 作者不詳『テレニー、あるいはメダルの裏側』(全2巻, 1906)
- 作者不詳『愛欲のロマンス、あるいは早い経験』(全4巻, 1892)
- 作者不詳『イギリスの寄宿学校の秘められた生活:ある放蕩者の回答』(全3巻, 1905-1906)
- チャールズ・ドゥヴロー『インドのヴィーナス、あるいはヒンドゥスタンにおける愛の冒険』(全2巻, 1898)
- D・H・ロレンス『チャタレー夫人の恋人』(1929)
- サミュエル・ベケット『ワット』(1953)
- フィリップ・オコナー『スタイナーの旅行』(1960)
- アレクサンダー・トロッキ(フランシス・レンゲル名義)『ヘレンと欲望』(1954)
- アレクサンダー・トロッキ(フランシス・レンゲル名義)『若きアダム』(1954)
- アレクサンダー・トロッキ(フランシス・レンゲル名義)『ヘレン・セフェリスの愛欲の日々』(1954)
- クリストファー・ローグ(パルミロ・ヴィカリオン伯爵名義)『愛欲』(1954)
ドイツ・オーストリア・ロシア
- ヴィルへルミーネ・シュレーダー=デフリント『ドイツ人歌手の回想』(仏訳, 序文アポリネール, 1961)
- エルンスト・シェルテル『文学と彫刻における鞭打趣味』(1957)
- リーニュ公シャルル・ジョゼフ『前後あべこべ』(1867)
- コンスタンティン・アンドレーヴィッチ・ソモフ『侯爵夫人の本』(1918)
- コンスタンティン・アンドレーヴィッチ・ソモフ『侯爵夫人の本』(独訳フランツ・ブライ, 1908)
アメリカ
- 『ドリー・モートンの回想』(1904)
- ヘンリー・ミラー『北回帰線』(序文アナイス・ニン, 1934)
- ヘンリー・ミラー『北回帰線』(仏訳ポール・リヴェール、序文アンリ・フルシェール, 1945)
- ヘンリー・ミラー『南回帰線』(1948)
- ヘンリー・ミラー『薔薇色の十字架』(全2巻, 1953)
- ヘンリー・ミラー『薔薇色の十字架(』全2巻()仏訳ジャン=クロード・ルフォール, 1950)
- ヘンリー・ミラー『黒い春』(仏訳ポール・リヴェール, 1946)
- テリー・サザーン(マクスウェル・ケントン名義)『キャンディ』(1958)
- アレン・ギンズバーグ、エド・サンダース、テッド・ベリガン『Bugger!: An Anthology of Buttockry』(1964)
- エド・サンダース『マリリンのための詩集』(サンダースの他、ジョエル・オッペンハイマー、ジョン・キーズ、テーラー・ミードの作品を収録, 1962)
- エド・サンダース『トークィーン詩集』(1964)
- ハリー・マシューズ『唯一無二の享楽』(フランチェスコ・クレメンテのリトグラフ, 1988)
中東・インド
- ロベール・シュリユ『古代イランにおけるエロティックな表現と愛に関する試論』(1967)
- ムハンマド・イブン・アル・ナフザウィ『匂える園:アラブ性愛術』(仏訳, 1886)
- ムハンマド・イブン・アル・ナフザウィ『匂える園:アラブ性愛術』(独訳, 1905)
- ムハンマド・イブン・アル・ナフザウィ『匂える園:アラブ性愛術』(英訳, 1952)
- ジョゼフ・シャルル・マルドリュス『ブードゥール王女物語』(1926)
- 作者不詳『アラブ人の間の結婚、愛と女性』(アラビア語からの英訳, 1896)
- 『バーツヤーヤナのカーマ・スートラ:インドの性愛指南書』(仏訳, 1885)
- 『バーツヤーヤナの正真正銘のカーマ・スートラ』(1929)
マリー=フランソワーズ・キニャール(Marie-Françoise Quignard)について
フランス国立図書館貴重書部名誉司書。2001年に『フランス国立図書館論叢』第7号「エロティシズムとポルノグラフィー」(Revue de la Bibliothèque Nationale de France no. 7, «Érotisme et pornographie»)を編集、2007年~2008年には『図書館の《地獄》:秘密のエロス』展(L’Enfer de la Bibliothèque, Éros au secret)をレイモン・ジョスエ・セッケルと共同でキュレート、2007年にはセッケルと共著で同展の目録を出版、2019年には改訂増補版を出す。アントニ・タピエス展(2001年)、ピエール・アレシンスキー展(2005年)もキュレートし、2016年~2017年にはバルセロナ現代文化センターの「1,000m2の欲望:建築とセクシュアリティ」展(1.000 m2 de deseo, arcquitectura y sexualidad)の18世紀部分を共同でキュレートした。
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- 初期近代イギリス・ヨーロッパ史
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